[アーノルド・フジ タカムラ]馴染みの味・懐かしい味を途絶えさせるわけにはいかない

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「人が街を創る」をコンセプトに、魅力溢れる活動をしている人をピックアップしてご紹介!

今回の主人公

アーノルド・フジ タカムラ

今回の主人公は「せーたん」の愛称で親しまれている「アーノルド・フジ タカムラ」の3代目店主、高村清太郎さん。
パン屋の店主と兼任して芝山団地商店会の会長も務めている。「100円商店街」や「愛の芝山祭」など、地域をヒトを元気づけるイベントにも力を入れている。




馴染みの味。懐かしい味を大切にしていきたい。

アーノルド・フジ タカムラ

東葉高速線「飯山満駅」から徒歩7分の場所に位置する芝山団地商店会内に、高村清太郎さんが店主をつとめるパン屋さん「アーノルド・フジ タカムラ」はあります。
同店の創業は1977年。地域の方々に愛され続け、今年で創業46年目(2023年現在)を迎えました。

アーノルド・フジ タカムラ

▲バラエティー番組「モヤモヤさまぁ〜ず」で、さまぁ〜ずさんの餌食となった「しゃべる看板」

店内には常時80種類以上の焼きたてパンが並べられ、長年お店に通い続けている多くの常連客を楽しませ続けています。

豊富な種類のパンも魅力ですが、このお店の魅力は触れ合いの時間にあります。

例えば、ある日のこと。
「あら?せーたん。いたの?いつもいないから遊び回ってるんでしょ?」
そう常連さんから茶化されると「うるせぇよ笑 せーたん忙しいの!多くの人から愛されてスター業も大変なんだよ!!今日もブドウパンだよね?いま焼き上がったよ」など、店主とお客というよりは、祖母と孫のような会話がしばらく続きます。

アーノルド・フジ タカムラ

そしてお客さんが一通り笑って帰ったあと、高村さんはボソッとこんなことを口にしました。
「ウチのブドウパン。尋常じゃないくらいブドウ入れてるんですよ。あのお婆ちゃんが好きですからね」

この一言で、このお店「アーノルド・フジ タカムラ」が長い間愛され続けている理由の一端を垣間見たような気がします。

先代から受け継がれてきたパンを作る工程は大きくは変わっていないそうですが、お客さんそれぞれの好みに合うパンに近づけるために、今もなお改良を続け進化させているそうです。

「結局、馴染みの味が一番美味しいんですよ。懐かしい味を大事にしたいですね。ウチはそれを常に心がけています」と照れ臭そうに笑いながら、出張販売の準備に取り掛かります。



出張販売を始めたのはお婆さんのあの一言

アーノルド・フジ タカムラ

「これメチャクチャ重いんですよ。20kg近くあるんですよね。マジでキツい!」とボヤく高村さん

高村さんの日中の業務は多忙を極めます。ある程度のパンを焼き上げ店内に並べ終えると、ランチタイムに合わせ、近隣施設への出張販売に出かけていきます。

この出張販売が口コミで広がり、今では毎日4〜5軒の施設を巡っているそうです。
なぜ出張販売を始めたのかを聞いてみると、そこにはやはり彼らしい理由がありました。

アーノルド・フジ タカムラ

遡る事10年前。ずっとお店に来ていたお婆さんがお店に来なくなってしまったそう。
それから半年ほど経ち、家族と共にお店にきたので理由を聞いてみると、近所の老人施設に入所しているとのことでした。

そのお婆さんと話をしていると、お婆さんの口から発せられる言葉は「死にたい」や「つまらない」や「パン屋にも来れない」などの言葉ばかりで、胸が引き裂かれそうなほどの悲しみを覚えたそうです。

アーノルド・フジ タカムラ

「オレが婆ちゃんの楽しみを作ってやるよ!」そう決心してからの高村さんの行動は迅速でした。
即座におばあさんが入所している施設に電話で許可を得て、出張販売をスタートさせました。

「婆ちゃん!せーたん会いにきたよ〜!」その時のお婆さんの輝くような笑顔は今でも忘れられないそうです。



「地域のため…」というよりは理念に合っているかが大事

アーノルド・フジ タカムラ

出張販売を始めて10年。お客さんや友人などから「地域のためにエラいわねぇ〜」という言葉を多くいただくそうです。

しかし、高村さんはその言葉に違和感を感じているといいます。

「地域のためとか考えたことないんですよね。ただウチのパンを待ってくれている人がいる。楽しみにしてくれている人がいる。その期待に応えたいだけなんですよ。その繰り返しです。結果的に地域貢献に繋がっていれば嬉しい限りですが」

アーノルド・フジ タカムラ

高村さんの行動指針は至ってシンプル。それは彼が掲げている理念に沿えているかということです。その理念が「人が集まる場所を作る」「楽しく買い物できる場所を作る」「子供の思い出になる場所を作る」というもの。

この理念に沿っているなら、今後も色々なことをチャレンジしていきたいと力強く高村さんは語ります。

毎回、県内外から多くの人が訪れる100円商店街

「せーたん。忙しいのにどうして痩せないの?」
「うるせぇ!せーたんはまだまだ発酵中なんだよ!痩せてるヒマなんてないの!」

こうしてお客さんに敬意を持って茶化し茶化されながら、パンと共に発酵をし成長し続けている高村さんは、これからも変わらず馴染みの味・懐かしい味を愚直に追い求め、多くの人を楽しませ続けてくれることでしょう。

アーノルド・フジ タカムラ

〈完〉

お店Data

アーノルド・フジ タカムラ

店名 アーノルド・フジ タカムラ
住所 千葉県船橋市芝山3-10-2-107
アクセス 東葉高速線「飯山満駅」から徒歩7分
営業時間 8:00~18:00
定休日 日・時々月曜日



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