季節には、太陽暦(地球が太陽のまわりを一周する時間の長さ)の一年を四等分した春夏秋冬があります。
さらにその季節を六つにわけたのが二十四節気です。
こちらの記事では、そんな二十四節気の春の節気である「清明(せいめい)」について紹介(七十二候や旬なども)しています。
清明とは[4月5日ころ]
清明とは、全てのものが清らかでイキイキとするころのことです。万物が清らかでいきいきしているという意味の「清浄明潔」という言葉の略が清明です。
春先のこの時期に東南から吹く風を清明風と呼び、本格的な春がやってきたことを告げる風です。
七十二候とは
七十二候とは、二十四節気をさらに約5日ずつ3つに分けた時期のことをいいます。
清明(4月5日ころ〜)に含まれる七十二候を紹介します。
[初候]玄鳥至る(つばめきたる)
冬の間、暖かい東南アジアで過ごしていたツバメが、海を渡って日本へやってくるころ。
ちなみに「玄鳥(げんちょう)」とは、ツバメの異名。
新暦で4月4日〜4月8日ころ
[次候]鴻雁北へかえる(こうがんきたへかえる)
日が暖かくなり、冬の間日本で過ごしていた雁(がん/かも科の大形の水鳥)が北のシベリアへ帰っていくころ。
新暦で4月9日〜4月13日ころ
[末候]虹始めて見る(にじはじめてあらわる)
春の雨上がりの空に初めて虹がかかるころ。これから夏にかけて夕立の後に多く見られる季節です。
新暦で4月14日〜4月19日ころ
清明の旬(行事・花・食材)
[旬の行事]イースター
イースターは、イエスキリストの復活を祝う日で、日本語訳では「復活祭」といいます。
イースターの具体的な日にちは決まっていませんが、春分を過ぎて最初に訪れる満月の次の日曜日です。
ヨーロッパではクリスマスと同じくらい大切にされ、家族や親しい友人と一緒にご馳走を楽しみながらお祝いします。
[旬の野鳥]燕(つばめ)
七十二候の初侯にもなっている燕。人家の軒下などに好んで巣をつくり、「つばめが巣をつくると、その家に幸せが訪れる」という言い伝えがあります。
[旬の魚介]初がつお
鰹(かつお)は、初がつおの春と、戻りがつおの秋と旬が年に2回あります。春がつおは、筍やゼンマイと共に春の旬として人気です。春は脂が少なくさっぱりとした味で、「かつおのたたき」で食べるのがオススメです。
[旬の魚介]めばる
3月後半〜5月に旬を迎えるめばる。塩焼きや煮付けや唐揚げでいただくと美味しいですよね。
めばるは日本中でとれる近海魚で、大きな目が張り出して見えることから、眼張(メバル)と呼ばれるようになったそう。
[旬の野菜]行者にんにく
山で修行する行者が食べて精をつけたことから、その名がついたといわれる行者にんにく。4〜5月に春を迎えます。
抗がん作用のあるβ-カロテンが豊富で、ビタミンB1の吸収を助けるため、肉や魚と一緒に食べるのがオススメです。
行者にんにくは、栄養補助食品としても人気があります。
[旬の野菜]三つ葉
3月〜4月に旬を迎える三つ葉。香りがよく、食欲を誘う日本原産の菜です。
春の時期には香りがより高く、栄養(ビタミンA・C、鉄、食物繊維、ミネラルなど)も多く含まれています。
[旬の味覚]雨前茶(うぜんちゃ)
雨後の虹が現われはじめるこの時期は新茶の季節。
中国では、清明が訪れる4月5日ごろより手前に摘んだ茶葉を「明前茶(めいぜんちゃ)」といい、爽やかな香りにほのかな甘みのある味わいで、日本でいう一番茶のようなもの。
清明のころには「雨前茶(うぜんちゃ)」という、明前茶より味わい深い茶葉がとれます。
ちなみに、春分前に摘まれた茶葉は「分前茶(ぶんぜんちゃ)」と呼ばれ、最上のお茶とされています。
清明の次の二十四節気は?
清明の次の二十四節気は「穀雨(こくう)」です。
以下のページで「穀雨(こくう)」について詳しく紹介しています。
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