水木しげるが「怠け者」になりなさいと伝える本質は?

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先日、NHKで2015年に亡くなった漫画家の水木しげるさんを特集した番組が放送されていましたので、録画しておきました。
その番組の特集テーマが「幸せになりたいなら怠け者になりなさい」というものだったんですね。

「え?!怠け者でいいの?ラッキー!!」って思うじゃないですか?バカだから(笑)
でも、どうやらそういうことではないんですよね。
今日はそんなお話です。



怠け者とは真逆の水木しげるさんの壮絶人生

水木しげる

水木さんの人生は、怠け者でいられないくらい壮絶なものでした。
彼が19歳のときに太平洋戦争が勃発し、爆撃にあい左腕を失ってしまいました。

終戦後、紙芝居屋さんを経て漫画家としてデビューしましたがヒット作に恵まれず、本と布団以外は質屋に入れて生活をするほどの極貧人生でした。

ゲゲゲの鬼太郎がヒットしたのが、40歳すぎてからだったそうです。
多忙になってからは、締切地獄に苦しむことになります。
「この世には、あの世に行かなくても色々な地獄を味わうことができる」というようなメモが残されていました。

水木さんは、こんな言葉を残しています。

多忙と不安に苛まれて生きるのは、もうコリゴリだった。
生来(せいらい)、身に備わったノンキなルールを今こそ取り戻すべきだ。

つまりマイルールを作ったわけですね。
このマイルールはラクをするためのルールではなくて、自分が本当にやりたいことに取り組むためのルールです。



幸せになるために怠けるとは?

水木しげる

仕事の鬼になって、なんのために生きたのか分からない一生を送るのがいいのか。
人間は結局幸福になる方法を知らない。

それからの水木さんは仕事に追われるのではなく、次第にやりたい仕事を自分で追いかけるようになったそうです。

では、「幸せになるために怠ける」とは、どういうことなのでしょうか?
番組内で、水木さんはインタビューでこのように答えています。

水木大先生(※水木しげるさんの一人称です)から見ると、人は怠け者なの。
水木さん(※一人称です)は、怠け者のフリをして人一倍働くほうだから。
だから人は騙されて、怠けて生きられると思うらしいね。
人は私から見ると、あまり働かないね。

どうでしょう?どう感じますか?
色々な解釈ができそうです。

おそらく「働く」というところがポイントですよね。
この「働く」には、「ライスワーク(食いぶち)」と「ライフワーク(好きを追求)」が内包されているように感じませんか?
少なくとも僕は、そう感じることができました。



「怠け者になりなさい」とは、つまり?

水木しげる

時間に追われ、精神を蝕むような仕事(ライスワーク)をセーブし、好奇心を持って好きを追求できる(仕事)を増やしていくべきじゃないの?というアドバイスに聞こえましたし、そう勝手に捉えることにしました。

つまり「怠け者になりなさい」とは、「好きを追いかける仕事を怠っちゃダメよ。しっかり持っておきなさいよ」ということなのではないでしょうか?

水木さんの著書「水木サンの幸福論」の中に、こんな一節が載っていました。

連載の本数を減らして、世界中の楽園や妖怪の棲み処を訪ねる「世界妖怪紀行」も始めました。
今までに七十八回も世界中を旅していて、これが水木サンの最大の「なまけ術」です。

幸せになりたかったら、怠け者になりなさい。
その本質が少しわかったような気がします。



水木サン流 幸福の七か条

水木しげる

水木しげるさんの著書「水木サンの幸福論」の中に、幸福の七か条が紹介されていましたので、そちらを共有して、今日の記事を終わりにしようと思います。

第一条 成功や栄誉や勝ち負けを目的に、ことを行ってはいけない。
第二条 しないではいられないことをし続けなさい。
第三条 他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追求すべし。
第四条 好きの力を信じる。
第五条 才能と収入は別、努力は人を裏切ると心掛けよ。
第六条 なまけ者になりなさい。
第七条 目に見えない世界を信じる。

水木しげるさんの著書「水木サンの幸福論」で上記の七か条が詳しく書かれているので、気になる方はチェックしてみてくださいね!
(水木しげるさんの壮絶な人生についてもたっぷり書かれています)

 



 

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