日本には古来から四季折々の行事や年中行事を記した歳時記という書物があります。
歳時記を通して、四季のある国に生きる喜びを思い出し、味わってみませんか?
こちらの記事では、7月の歳時記(和風月名・暦・行事・風物詩・旬な食材)などを紹介していきます。
7月の和風月名
和風月名とは月の呼び名の和名で、旧暦(明治5年まで月と太陽の動きを元にした太陰太陽暦)の季節や行事に合わせたものです。季節や行事に合わせた呼び名で風情を感じられます。
文月(ふみづき・ふづき)
7月の和風月名は「文月(ふみづき)」と呼びます。
稲の穂が実る月です。「穂含月(ほふみづき)」が短くなったと言われています。その他の説として、短冊に詩歌を書く七夕の行事にちなんだ「文披月(ふみひらきづき)」が変化したとも言われています。
【7月のその他の異名】
おみなえしづき・をみなえしづき(女郎花月)/ けんしんげつ(建申月)/ しんげつ(親月)/ たなばたづき(七夕月)/ とうげつ(桐月)/ ななよづき(七夜月)/ はつあき(初秋)/ ふづき(七月・文月)/ ふみひろげづき(文披月)/ めであいづき(愛逢月)など
7月の暦(二十四節気)
季節には、太陽暦(地球が太陽のまわりを一周する時間の長さ)の一年を四等分した春夏秋冬があります。
さらにその季節を六つにわけたのが二十四節気です。
二十四節気の一節気の長さは十五日間で、季節を細やかに表現しています。
立春から始まり、春分、夏至、秋分、冬至の四つの時期に春夏秋冬それぞれの盛りを迎え、大寒で締めくくられて一年となります。
小暑(しょうしょ)[7月7日ころ]
小暑とは、梅雨が明けて本格的に夏になるころのことです。梅雨が明けると本格的な夏の到来です。
小暑または大暑から立秋までを暑中といい、暑中見舞いの挨拶状はこの期間内に送ります。
ちなみに立秋以降は残暑見舞いとなります。
目上の方に贈る場合は暑中見舞いは「暑中伺い」となり、残暑見舞いは「残暑伺い」となります。
関連記事:小暑|二十四節気|七十二候・旬も紹介!
大暑(たいしょ)[7月23日ころ]
大暑とは、もっとも暑い真夏のころのことです。大暑の日には全国的に打ち水のイベントが開催されます。打ち水をすると気化熱により地面の熱が大気中に逃げ、周囲の気温を下げる効果が期待できます。
大暑の時期は、土用のうなぎや風鈴、花火など日本の風物詩が目白押しの時期でもあります。
関連記事:大暑|二十四節気|七十二候・旬も紹介!
7月の行事や風物詩
山開き・海開き(7月1日ころ)
日本では古くから山は神聖な場所とされていて、むやみに立ち入ることはできませんでした。
夏の一定期間だけ信仰行事として登山が解禁され、これが山開きの起源です。
一方で海開きには山開きのようないわれはありませんが、7月1日前後に海開きが行われ、解禁日には安全祈願なども行われます。
半夏生(7月2日ころ)
夏至から数えて11日目から5日間を「半夏生(はんげしょう)」と呼び、昔は田植えの目安とされていて、半夏生に入るまでに田植えを済ませると良いとされてきました。
ちなみに半夏生のいわれには、漢方薬に使われる半夏(カラスビシャク)が生える頃という説があります。
ドクダミ科のハンゲショウは、半夏生の時季に花が咲くからつけられた名前ともいわれています。
七夕(7月7日)
七夕は桃の節句や端午の節句と同じ五節句のひとつ「七夕の節句」です。
七夕を「しちせき」ではなく「たなばた」と呼ぶのは、日本の神事「棚機(たなばた)」の行事と合わさったためといわれています。
日本では古来から「棚機女(たなばたつめ)」と呼ばれる女性が、機織をしてできた布を神様に供えて、厄災が起こらないように願う行事がありました。
七夕を「たなばた」と読むのは、棚機女がもとになっているといわれています。
お中元(7月15日)
お中元は、もともとは中国の道教の節句で、神様に供え物を献上して祝う日でした。
旧暦のこの頃はお盆の時季と重なったため、先祖へ供物をするという意味合いが強くなり、やがてお世話になった人や親戚などに贈り物をする日として定着したといわれています。
お中元を贈る時期は?
地域によって異なるそうですが、7月1日〜15日までに贈るのが一般的です。
15日を過ぎ、立秋までに贈る場合は表書きを「暑中見舞い」にして贈ります。
のしと水引
お中元には、紅白の蝶結びの水引(帯紐)がついたのし紙をかけます。
表書きは「御中元」とし、下に名前をフルネームで書きます。
「お中元に何を贈っていいか悩む」という方は、ネット通販サイトで特集ページが毎年組まれていますので、そちらを参考に検討してみてはいかがでしょうか?
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海の日(第3月曜日)
1996年に制定された国民の休日である海の日は、7月第3月曜日と定められ、「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う日」とされています。
祝日法改正により、7月20日から第3月曜日に変わりました。
暑中見舞い(第3月曜日)
二十四節気の小暑から大暑の「暑中」に送る見舞い状を暑中見舞いといいます。
暑中見舞いの多くは土用丑入り後の最も暑い大暑のころに相手の体調を気遣って送られます。
立秋を過ぎてからは「残暑見舞い」として送ります。
土用の丑の日(23日ころ)
一年で最も暑いといわれる時期が「夏の土用」と呼ばれる雑節のころ。
「土用の丑の日」は夏以外にも、立春、立夏、立秋、立冬前のそれぞれ18日間を「土用」と呼びます。
一年で最も暑い「夏の土用」の期間で特にビタミンやタンパク質を豊富に含む滋養食のうなぎを食べて暑気払いをする習慣があります。
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チェーン店のうなぎメニューレポ!
すき家
ゆで太郎
うなぎ以外に土用丑の日に食べる「う」のつくもの
◉梅干し
梅干しはリンゴ酸やクエン酸などの有機酸が疲労回復や肩こりなどに効果があるほか、菌の繁殖を抑え、腸内の細菌を活発にします。
◉うどん
食欲がない日でもツルツルと食べられるうどん。うどんはグルテンを含み、麺類の中でも消化されやすいので、疲れた体や脳に素早くエネルギーを届けることができます。
7月の誕生花
ユリ
7月の誕生花はユリです。ユリは約100種の原種が広く分布し、特に日本はユリの宝庫で、十数種類が自生しています。
ユリの花言葉:「純粋」「無垢」
下記の記事では、ユリを含む誕生日花を紹介しています。
▶︎7月の誕生花一覧|誕生月の花・誕生日の花|花言葉を紹介!
7月の誕生石
ルビー
古くから「宝石の女王」と呼ばれ続けているルビー。ルビーはその情熱的な赤色から「情熱の象徴」とされています。ルビーを身につけていると自信や勇気がみなぎるパワーが宿ると言われています。
またルビーは「愛の象徴」とも言われていて、その情熱的な赤い色のような愛をもたらすとされ、恋愛成就(良縁)を願う人に人気の宝石です。
石言葉:「繁栄」「長寿」「安定」「幸福」など
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下記の記事では、ルビーを含む誕生日石を紹介しています。
▶︎7月の誕生石一覧|誕生月の石・誕生日の石|石言葉を紹介!
8月の歳時記一覧
以下のリンクから8月の歳時記一覧をご覧いただけます。
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